プロトコールに基づく経口抗がん薬治療管理における
テレフォンフォローアップ実施の手引き
はじめに
本手引書は、愛知県がんセンターにおいて外来がん治療中の患者さんに対し、保険薬局薬剤師がテレフォンフォローアップを実施する際の基本的な対応について解説したものです。
施設と保険薬局との合意されたプロトコールに基づき医師と協同して患者対応を行うことに関しては、日本病院薬剤師会が推奨するPBPMの概念に合致し、厚生労働省医政局長通知(医政発0430 第1号)において、実臨床で行える範囲での行為とされています。
現在、対象となるレジメン
・S-1単剤及び、注射薬との併用レジメン
・カペシタビン単剤及び、注射薬との併用レジメン
患者さんに電話をかけるとき
電話によるサポートについて、患者さんの了解を得られた場合
・あらかじめ都合の良い日時を確認しておく。
・病院の受診日と次回受診日の間に1~2回。基本的には、服薬開始から7~8日目に電話する。
・チェックシートを用いて状況を確認する。
患者さんに電話をかける際
・まず体調を確認し、気分がすぐれないときは無理に聞き取りをしない。
・必要に応じて患者さんの状況を病院薬剤師に連絡。その後の対応は病院と相談する。
テレフォンフォローアップ後のチェックシートの運用
手順① | 保険薬局薬剤師は、テレフォンフォローアップ後のチェックシートを病院薬剤部にFAXする |
手順② | 病院薬剤師は、チェックシートについて、迅速な対応が必要な事項がないことを確認のうえ、電子カルテに記載する |
◇ 重篤な副作用が発現していた場合の対応
副作用評価・対応表の黄色帯で示した症状が認められた場合の対応
手順① | 保険薬局薬剤師は、副作用評価・対応表に従い支持療法薬使用等の指導を行い速やかに病院薬剤部に電話連絡 ※患者への電話は、可能な限り病院の時間外を避ける |
手順② | 病院薬剤師は、主治医へ報告、指示に従う |